留学体験談

留学でしか学べないたくさんの経験が出来ています

荒木 真寛 様 Masahiro ARAKI

2019年、洗足学園音楽大学管楽器コースをサクソフォン専攻として卒業。大学を卒業後、ブリュッセル王立音楽院サクソフォン科に合格し、現在学部3年生としてヴァンソン・ダヴィッド(Vincent-DAVID)先生クラスに在籍。

トラブル続きだった手続きも終わって無事留学

 日本の音楽大学に在学していた時、フランスのサクソフォン奏者ヴァンソン・ダヴィッド氏の来日コンサートを聴いて衝撃を受け、大学卒業後に先生に師事するために留学することを決意しました。卒業後に受験の手続きをはじめ、9月下旬の試験に無事合格できました。受験をした時はまだ学生ビザを持っていなかったので合格から学校が始まるまでの間に一時帰国をして、学校の手続き、ビザ申請等留学に向けての準備を進め、10月の初めにベルギーへ出発しました。実は、合格後やらなければいけない手続きを忘れていて、あわや合格が取り消しになりかけました。学校に相談するにも「入学の取り消しは免れない!」と一点張り。当時フランス語を全く話せなかったので、目の前が真っ暗になったのを覚えています。しかし、幸いにも日仏文化協会の合格後のサポートをお願いしていたお陰で現地にいるサポートの方と一緒に学校長と直接相談、そして無事入学出来ることとなりました。今となってはいい思い出です(笑)。

日本とは全く違う授業内容。とにもかくにもフランス語!!

ブリュッセル王立音楽院のフランス語の校舎に通っています。週1回のレッスンでは特に持ってくる曲の指定はないので自分が見せたい曲を先生に見ていただいています。レッスンでは技術面の他に、旋律の歌い方や、発音、フレーズ終わりの音の処理の仕方等とても細かいところまで見てもらえるので非常に勉強になります。座学に関しては、フランス語が最低限出来ていないと苦します。私は幸いにも試験結果学士入学を認められた為、学部の3年生(最終学年)として学校に通っているのですが、そのせいもあって社会学、音響学、美術史等日本語で受講したとしても難しい講義を受けています。先生の口頭での説明とスクリーンの映像で講義は進んでいきますが、フランス語力がまだ十分でない為、とにかくスクリーンの文字をノートに書き写し、後から電子辞書で翻訳して授業の内容になんとかついていくしかありません。そのほかの講義に関しては、フォルマシオンミュジカル(リズム課題やクレ読み課題を取り扱う講義)、レクチュール(楽器での初見演奏、オーケストラ作品を演奏する講義)、室内楽等があります。室内楽では外国人とカルテットやデュオを組んで様々なクラシック音楽の作品の演奏に取り組みますが、1人1人の個性が豊かで日本人同士でやる室内楽とは全く違う感覚で音楽を作ることが出来るのでとても刺激になります。

フランス語が分かってくると楽しくなってくるコミュニケーションと文化の違い

 ブリュッセル王立音楽院の生徒として生活し始めてから5か月が経ちました。最初は全くと言っていいほど話せなかったフランス語も拙いながら、友達とのコミュニケーションもとれるようになり、友達と飲み会をしたりします。この5か月間本当に色々な出来事に遭遇し、沢山の人との出会いがあって、留学でしか学べないものを経験出来ています。例えば他の学生のレッスンの聴講をすることで日本で学んでいた時には出来なかった音楽のとらえ方を感じ取れるようになり、町での買い物や学生とのコミュニケーションを通して日本にはない文化や環境に触れることが出来ました。

 まだ1年も経ってないだけでこんなにも刺激をもらっているので、これからの学生生活もとても楽しみです!