フランス留学体験談>第9期奨学生
あの国特派員 in Rouen
フランスで語学+料理を学ぶ
プログラム概要:フランス・ルーアンのフレンチ・イン・ノルマンディーにて、午前はフランス語(週5日・15時間)、午後はノルマンディー料理(週3日)を習うプログラム!(モン・サン・ミシェルのエクスカーションはオプション)
1週間 334,000円(ホームステイの場合)
彦根佳苗(ひこね かなえ)さん
静岡県出身。静岡県立大学国際関係学部在学中。大学でフランス語を専攻。高校まで陸上部、大学でダイビングサークルに所属するスポーツウーマン。
「フランスで生活を体験しながらフランス語を学びたい!」
大学で第二外国語としてフランス語を二年間勉強していた彦根さんは、春休みなどを利用してフランスへ短期留学をしていた周りの友人をうらやましく思っていた。また、授業の中で先生がフランスの魅力について、よく話をしてくれた。だからいつかは自分も行きたいと思っていたが、実現できずに時間だけが過ぎていた。そんなとき目に飛び込んできたのが「あの国」特派員募集の記事。普段はなかなか行動に移せないという彼女が「これだ!」と思い応募したのがきっかけだそうだ。
先生やスタッフもみな親切
アットホームな温かみのある学校
初めてのフランス。出発前は期待と不安で緊張感も高まっていたけれど、ルーアンの駅で温かく迎えてくれたホームステイ先のマダムの笑顔で一気に緊張が解けた。翌朝はバゲット(フランスパン)、ジャム、バター、カフェといったフランス式の朝食をマダムと一緒にとり、語学学校フレンチ・イン・ノルマンディーに向かった。ステイ先から学校まではメトロバスを利用して約20分。清潔なオフィスビル内にあり、こぢんまりとしていて誰とでもすぐに顔見知りになれるとてもアットホームな雰囲気。放課後や週末には小旅行やお別れ会などが企画され、クラスメイト以外の人と友だちになる機会も多いのだとか。
先生との距離も近い少人数レッスン
質問はわかるまで教えてくれる
フランス語の授業は、日本の大学での文法中心の授業とは違い、会話重視。積極的に発言することを求められる。私が教えてもらったセリーヌ先生はとてもフレンドリーで、まだ思うように話せない生徒たちに辛抱強く接してくれた。わずか5人の少人数レッスンだったので発言する機会も多く、クラスメイトともすぐに打ち解けた。例えば、自分が選んだカードに記された数字をフランス語で発音するゲームで、なかなか答えられなかったとき、先生もクラスメイトも一体となって応援してくれた。質問があればその場で聞き、確認しながら進む。わからないことはわかるまで、みんなが説明してくれる。そんな温かい雰囲気の授業がすごく楽しくて、ずっとここで勉強したいと思った。
さまざまなハーブが味のきめて
本格フランス料理に初挑戦!
このプログラムはフランス語の授業に加え、ノルマンディー地方の特色を生かした料理も習える。通常は高等専門学校のキッチンで行われるが、今回は地元のレストランの厨房での特別講習だった。ガルスカ先生はとても優しい紳士でいつもにこやか&ユーモアもたっぷり。教え方も丁寧だ。
今日はノルマンディー特産のリンゴの蒸留酒カルバドスでフランベしたエビの前菜と、子羊のプロヴァンス風の主菜の二品を実習した。フランス料理を作るのは初めての体験。ハーブや調味料も初めて見るものばかり。メイン、ソース、付け合わせとそれぞれを同時進行して作っていく。昨日教わったトマトの細工切りは、カミソリのような道具を使っただけで、バラの花に変身! フランス料理の繊細さを体感した。
本場フレンチのおいしさや
盛りつけの美しさにびっくり
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講習後は特別にレストランのテーブル席で試食させてもらった。厨房のリラックスした雰囲気とは違いとてもシック。いよいよ先生による盛りつけのお皿が運ばれてきた。別々に用意していたものがこんなにも美しく一つのお皿に盛られているのは想像以上の驚き。特にエビの料理は、殻でだしをとり生クリームで仕上げたソースがとてもおいしかった。また料理の付け合わせにフルーツのリンゴを使ったり、細工したズッキーニを使ったり、なにもかもが新鮮! もっとフランス語と料理のコツを学んで、いつかこんな料理が作れるようになるといいな。今日はシェフから料理を直接教えてもらえるなんて夢のようだった。
かわいい家や店がいっぱい!
フランスがどんどん好きになる
フリータイムは、歩いているだけでも楽しいルーアンの街を散策。今でも時を刻んでいるルネッサンス期の大時計、その周辺は15~18世紀に建てられたノルマンディー独特の木組みの古い家並みが多く残っていて、かわいいお店やカフェもたくさん。また教会も多く、特にモネが好んで描いていた大聖堂には圧倒された。そして街歩きをして強く感じたことは挨拶の力。お店に入れば「bonjour」(こんにちは)、出るときは「au revoir」(さようなら)といった一言で人と人との関係が近く温かくなっているように感じられ、いいなあと思った。
本当に楽しくて楽しくて
あっという間に過ぎた日々
ステイ先は街の中心からも徒歩圏内で静かな住宅街にある庭付き一軒家。モザイクのテーブルや段ボール製の家具などは4人の息子さんの母であるホストのマダム・ロケのお手製。そのバイタリティーと、笑顔で優しく話しかけてくれる温かさを持ち合わせたすてきな女性。マダムが仕事で帰りが遅いときは高校生の息子さんが夕食の支度をしてくれたのはうれしくもあり驚きでもあった。
短い滞在だったけれど、いろいろな経験ができてとても充実していた。国籍や年齢にとらわれずそれぞれの夢に向かってがんばっている世界の人たちに出会い、勇気をもらえたことやフランスの豊かな文化に触れられたことは大きな収穫だった。私にとっては、最高で特別な忘れられない一週間だった。
写真・文章:奥永恭子様
記事提供:「あの国でこれがやりたい!」