留学体験談

料理の技術だけでなく、プロ意識も学びました

室伏 直紀 様 Naoki MUROFUSHI

語学留学として1年間大学付属でフランス語を習った後、料理の勉強を始める。

フランス語を自分のものにするため留学を決意!

私は1年間強パリに滞在し、フランス語の習得並びに料理の勉強をしました。旅行では何度か訪れていたパリですが、旅行ガイドに頼りながらの旅行ではなく、フランス語を自分のものにしたいと思ったことが留学を決めた理由でした。留学の後半には習得したフランス語を活かし、世界的にも有名な料理学校「ル・コルドンブルー・パリ」での勉強をスタートさせました。

チーズの消費量世界一の授業に驚く!

 内容は星付きシェフによるデモンストレーションの後、自分たちでその料理を再現する実技授業と、衛生管理、料理評価方法、食物学などの座学授業があります。それぞれ興味深い内容ですが、特に印象に残っているのが乳製品の授業でした。フランスといえばチーズの消費量が世界一ということもあり、教えるシェフを筆頭に大盛り上がり!生乳からクリームやバター、チーズに形を変えていく過程や、それぞれの種類や特徴を学びました。乳製品に乏しい日本で育った私にはこの授業は大変新鮮かつ刺激的で、今まで以上にフランス料理にのめり込むきっかけとなりました。それ以来街のチーズ屋さんやスーパーで乳製品を買う際はちょっとした「通」になった気分で買っています。

料理人としてのリスペクト…とは。

 コルドンブルーでは、数にして各学期30回程度自分自身が料理をする授業があります。今まで家で簡単な料理しかしたことがなかったので、学校で課題に出るものの中は、今まで作ったことのない料理や初めて見るテクニックもあり、当然失敗はつきものでした。特に制限時間には特に気を配らなければならないのに、時間に間に合わず、そのことをシェフに相談にしてみました。すると、こんなアドバイスが返ってきたのです。
「君はいつも先に人に譲ってしまうだろう?だから調理場を何度も往復しなくちゃならなくて、結果時間をロスして遅れていることに気が付いていた?料理は食うか食われるかだ。自分が今必要なら相手を気にせず奪ってでも使え!君は優しすぎるんだ。仲間に優しくしているかもしれないが、遅れたら客をないがしろにしていることなるんだ。」
譲ることが良かれと思い、仲間への気遣いのつもりだったのに…とシェフの言葉は少し意地悪に感じましたが、その考えは「料理人仲間」の間では成り立つものであり、それが客と仲間、双方への違った形でのリスペクトの表し方だというプロ意識を教えられました。

同じ夢を持つ仲間は最高の友達!

 ル・コルドン・ブルーの授業は朝早くから夜遅くまでになることもあるためクラスの友達とは非常に仲が良くなります。初めは授業の合間にカフェで話をするだけだったのに「味の勉強」という名目でレストランに一緒に行ったり、お互いの家で自分たちの料理を紹介しあったりしました。
あっという間の留学でしたが、気づけば多くの体験をすることができました
 特に友人たちとは帰国後も連絡を取り続け、海を越えた友情に元気付けられています。