日仏文化協会の”音楽物件”とは

 日本とは異なり、パリには防音設備が完備された音楽学生専用のアパートなど集合住宅は残念ながらありません。さらに、保証人のない私たち外国人の学生が見つけるのは、大変困難です。
 フランスで”音楽練習可能物件”とは「昔からその物件に音楽学生が滞在し、近所の方より苦情が出ておらず、また大家からも音楽練習をしてもよいと許可を得ている物件」のことを言います。
 弊社では、長年の経験と情報から”音楽演奏可能物件”を手配しておりますが、入居後は各自で「簡易防音対策」をしていただく必要があります。また隣人の入れ替えにより突然クレームが入ることもありますので、大きな騒音問題に発展しないためにも、以下の点をご理解ください.

●心得ておくこと
 先述の通り、パリでは防音設備の整った音楽学生用の賃貸アパートはありません。そのため、入居後も隣人と上手にお付き合いしながら生活をしていくことになります。閑静な住宅街が多いパリ市内では、騒音を出すことは大変な迷惑行為となりうることを自覚し、また小さな音でも不快に感じる、という事も理解しておきましょう。
 特に、日本で一度もアパートなどの集合住宅に住んだ経験ない方は、音楽演奏以外でも、トイレの扉の開け閉め、トイレの水流し、歩く音等にも気を付ける必要があります。

●入居の際
まず、入居の際、管理人は勿論の事、上下フロアーの隣人全員にご挨拶して音楽学生であることなど説明し、良い関係を築きましょう。またその後も階段などであった際には、必ず挨拶をしましょう。

●滞在中
近所の方に会ったら必ず挨拶をし、時々音楽練習の音がうるさくないか?などお伺いしましょう。一般に音出しをしてよい時間帯は、平日の9時から18時くらいまで(遅くても19時くらい)です。だからと言って、ずっと練習してよいとは限りません。ある程度時間を決めて集中練習することがコツです。またテスト直前などで練習時間にボリュームが出るときには、近隣の方の事を考え、練習室を利用することも考えましょう。

土日祝日は午前中の練習は禁止です。午後は近隣の様子を見ながら少しずつ練習をして、可能な時間を確保していきましょう。基本は近隣の方がお休みされていると想定して、練習曲・練習方法を考慮してみてください。

●防音対策
・壁に面した壁一面に防音シートを張る。キルティング生地やフェルトで代用。
・床には敷物を用い、更にその上に段ボールは毛布などを2枚敷く。
・ドアにはウールのブランケットや厚手のカーテンを取り付けましょう。
・更に部屋の中に布カーテンで覆われた簡易練習空間を作るとよいでしょう。
・ピアノの場合は、壁から離して設置したり、防音マットを敷いてみましょう。

●もしクレームが出たら
・同じ音を出してクレームがなかった場合でも、隣人の入れ替えによってクレームが発生する事があります。クレームが出たら早期問題解決のため、誠実な態度で話し合いをしましょう。
・近隣の人が注意に来たら、必ず対応し、まず謝りましょう。
・クレームを無視し続けると、警察を呼ばれる事があります。

安心して練習できる環境を作る事ができるかどうかは、住む方の入居後の誠実な態度、心がけ次第です。隣人との人間関係を上手に築くように努力しましょう。

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