フランス留学体験談

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第6期奨学生の留学体験レポート

 

水原様のパリ留学

水原順子様

研修校:アコール
滞在先:一般寮
滞在期間:2008年1月18日~28日

 

 

今回、語学研修に参加する機会を持つことができ、パリにて1週間の語学研修を含む10日間の滞在で、大変有意義な時間を過ごす事ができました。短期間ではあるものの、出発前は色々不安もありました。出発日までバタバタとし、飛行機内でやっとホッと一息といった始末。研修前日には体調を少し崩し、研修に行けなかったらどうしようかと心配し、当日は、語学的にも体調的にもかなり不安を抱きつつ学校に向かいました。


初日はオリエンテーション後にレベル分けのテストを行い、いざクラスへ。と意気込んだものの、渡されたプリントが全く解読できず。先生が何を言っているのか、クラスメイトが何を議論しているのか理解できず。呆然としながら初日が終わり、このままではどうにも出来ないと、クラス替えの希望を出し、落ち込んで帰りました。
2日目からは新しいクラスにて気分を入替え再チャレンジ。

 
新クラスのレベルは学習する文法は簡単なのですが、相変わらず話している内容は良く解らず、クラスメイトのしゃべる速度についていけない状態で、語学の得意不得意分野が「日本人らしい」な、と我ながら呆れましたが、なんとか残りの4日間はしがみついていきました。
授業は、話す・聞くがメインで、ロールプレイが多く取り込まれており、ノートに書く事はほぼなく、辞書を使う暇もなく、ひたすら聞いて、しゃべるという授業でした。また、とても明るい先生で大きな声ではっきりと発音し、解らない単語や表現を何度も違った言葉で説明してくださり、私の苦手とする分野には最適な授業形態と先生だったと思います。
5日弱の研修では、実際のところ、フランス語のレベルが上がったとは思えませんが、解らないなりに耳や口がフランス語に慣れた様に思います。夢もフランス語で見るまでに。 フランス語に対して、「外国語を話す」という自分の中での壁がなくなり、フランス語がより身近になり、そのことだけでも今回の研修の意義はあったと思っています。この崩れた壁が又できあがっていかない様、継続してフランス語を使っていきたいと思っています。


クラスメイトはというと、クラスの生徒は全部で9人でしたが、出席していたのは6名前後でした。国籍もバラバラで日本人は1人。働いている人も私を入れて2人だけで外の方は学生さんで、長く受講する人が多く、1週間なんてなんて短いの!と驚かれました。フランス語のレベルがレベルなので、休憩時間はほぼ英語での会話となりました。英語も苦手な私には若干慣れるまでに時間がかかってしまいましたが、最終日には連絡先の交換をしてお別れをし、今はたどたどしいフランス語でメールをやりとしています。
フランス語で会話しようと思っていても、日本語が話せる方がいると、どうしても頼ってしまうので、クラスに日本人がいなかったということは、その分の苦労もありますが、「フランス語漬けにする」という意味で私には良かったと思います。

 
研修先として選んだACCORDは、頂いていた案内図のとおり駅出口から徒歩1分以内で、カフェやお店も多く、オペラ座まですぐという好立地で食事・買い物・観光に申し分のない場所でした。授業で落ち込んだ分を取り戻すべく、授業後はパリの街を歩き回り、公園でぼーっとして過ごし気分転換をしていました。


今回の滞在中は「ガイドブックを持ち歩かないで過ごす」という無謀な試みに挑戦した為、頼りは標識やメトロの駅の地図、そして現地の人々。標識だけを頼りにひたすら歩いていると見たことのある風景が…気づけば元の場所に戻ってきていただけなんてこともありました。生きたフランス語を使おう、と道を尋ねざるを得ない状況に自分を追い込み、緊張しながらも、道行く人とコミュニケーションを取れたときはとても嬉しく思いました。パリの人たちは冷たいという印象を持っていましたが、うまく聞き取れない私に対し、何度か繰り返し話してくれ、とても親切にして貰いました。


今回は、念願のオランジェリー美術館に足を運び、降り注ぐ自然光により絵の印象が変わっていくのを、時が経つのを忘れ眺めていました。また、マルモッタンでもモネ三昧で贅沢な時間を過ごすことが出来ました。時期が冬だったため、お勧めでないといわれ、諦めたジヴェルニーにもいつか訪れてみたいと思います。パリが初めてではないことから、いわゆる観光名所に数多くは回りませんでしたが、その分一つ一つにじっくり時間をかけることができ、満足のいく、ゆったりとした観光となりました。

 


宿泊先のCISPは公園付近の穏やかな雰囲気の中にあり、近くにはスーパーがあり、少し歩くとチャイナタウンがあり、生活するには最適な場所でした。
施設ではPCを持参していれば、無料でネットにつなぐことができた様ですが、今回、短期間であった事と、学校でもPCが設置されているということで、私は持参していかなかった為、使用しませんでしたが、PC持参者にはありがたい設備だと思います。
また、2人部屋を1人で貸して頂く事ができゆったりと過ごす事が出来ました。
フランスの浴室事情は承知の上だったので、固定式のシャワーとトイレと洗面所が狭い場所で1つであることは気になりませんでしたが、さすがにシャワーを浴びた後にトイレは勿論、さらにはドアの外まで水浸し(シャワーの浴び方が下手なだけかもしれませんが)になった時は1人部屋で良かったと心から思いました。また、室内履きを1つしか持参しなかったため、持っていった方が良かったリストにもありましたが、ビーチサンダルはあった方が良かったなと思いました。


寮内には、自動販売機、コインランドリー、食堂、休憩場所、公衆電話、室内には、(勉強に向いてるとは言い難い)机と椅子、ベッド、クローゼット、トイレ、シャワー、洗面所があり、石けんとコップ、バスタオルの支給がありました。長期の滞在であれば、もう少しゆったりとした空間を欲したかもしれませんが、10日弱であれば問題のなく過ごせる施設でした。

 

最後になりますが、奨学金という形で研修に行くきっかけを下さり、感謝しております。なかなか、行きたいという気持ちがあっても、仕事の事など考えると二の足を踏んでしまいがちですが、奨学生として選んで頂き、行く決断をする事ができました。
又、日仏文化協会様には、応募時から、研修終了までの間、大変お世話になりました。些細な質問や要望にも快く対応して頂きまして、研修にあたっての不安を軽減することができました。どうもありがとうございました。
今回の研修は、語学そのものだけでなく、準備段階から色々と大変勉強になりました。 不安もありましたが、振り返ってみて、やはり行って良かったと思えますし、この経験は私の人生の糧となると信じています。