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第28期奨学生の留学体験レポート

 

小山 柚子様 カーンレポート4

 

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左の扉がバス・トイレです。右手前の扉はクローゼットです

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共用キッチンです

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「勝手に導入した玄関制度です

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収納たっぷりです。この隣に棚があります

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こうしてカーテンをおさえ、冷気の侵入を防ぎます

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キッチンで、DELF前に友人たちとスピーキング対策をしました

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前期お別れ会の様子です。様々な国の料理が集まりました

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クラスメイトが作ってくれた、我々のクラスの名前が入ったケーキです

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向かいの部屋のアメリカ人からおにぎりパーティに誘ってもらいました

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クラスメイトから「作りすぎたからあげる」と煮物感覚でクレープをもらいました

宿舎について教えて下さい。

宿舎は、わたしが通う外国語学科の建物と同じキャンパスにあります。外国人だけが入る宿舎です。ひとり部屋で、お部屋にトイレ、シャワー、冷蔵庫もついています。机は壁付けのものが大きいのと小さいのでふたつ、椅子もふたつあります。最初は狭いと感じるかもしれませんが、このトイレにもシャワーにも冷蔵庫にも3歩でアクセスできる部屋を、だんだん気に入ってきます。
キッチンは階ごとに共用です。わたしは他の学生よりもごはんのタイミングが早いようで、キッチンの混雑時にほとんどあたりません。仮にあたったとしても、みんな凝ったものを作るわけではないので、すぐに順番がまわってきます。
1階には自習室やテレビ室など、共用スペースがあります。鍵を借りてきて、個人利用できる部屋もあり、前期は一緒にプレゼンテーションをする友人たちと、ここでミーティングをしました。

 

 

宿舎のある地域について教えて下さい。(環境、お店等)

わたしの住む宿舎以外に、7つの宿舎が建っています。それらを一括して管理する受付が24時間毎日開いているので、深夜に困ったことが起きても大丈夫です。水漏れした時も、すぐに報告に行けました。お分かりかと思いますが、報告だけです。修理は、翌平日以降です。こちらの受付で、届いた荷物等も預かっていてくれます。
受付の隣にはコインランドリーがあり、2.85€で洗濯、1.85€で乾燥できます。このランドリー、親切なことに洗剤を自動で入れてくれます。洗剤を買ってくる必要も、日本から持ってくる必要もないのです。混むので、朝に行くのがおすすめです。寮の目の前には、食堂もあります。平日は昼も夜も、3.3€でごはんを食べられます。
徒歩5分圏内に、スーパーもパン屋さんもあるので、自炊組も安心です。ただこのスーパーは規模が小さく、お値段も若干お高めです。徒歩20分遠征すると、安くて大きなスーパーがあるので、わたしはなるべくそこで買い物をするようにしています。
中心街には、トラムを利用すれば10分かからず出られます。生活に必要なものは、不自由なく揃います。アジア食料品店もあるくらいです。徒歩20分のところに、街の図書館もあります。自分が住んでいるキャンパスの図書館は、土日は閉まっているので、週末の勉強はこの図書館を利用しています。
カーンの治安について申し上げますと、とても良いです。街を案内してくれた学生に「酔っ払いが多いから、夜の外出は本当に気を付けて!」と着いて早々に言われたものですが、わたしは夜に出歩いても危険な目に合っていません。もちろん、気を付けるに越したことはないですが、かといってびくびく過ごす必要もありません。

 

 

宿舎の良い点、不満な点も教えて下さい

・良い点

 なんといってもきれいなところです。自分が入っている寮は、最近建て直した寮らしく、どこも新しい感じがします。「ひとが使っていた感じ」がしないのが、わたしにとっては快適です。あまりにきれいなので、わたしは自分の部屋に「玄関制度」を導入しました。部屋で靴を脱いで暮らしたかったのと、土足で床が汚れるのも気になったので、扉から1メートル先は土足禁止のマイルールです。おすすめです。共用部分も、2日おきくらいにお掃除が入っているようで、清潔で快適です。
 それから細々したことをご紹介しますと、シャワーのお湯がすぐでるところに感激しました。水圧も問題ありません。決して大きくはない部屋ながら、収納が多い点も気に入っています。あとは、冷蔵庫に冷凍室があるのが、本当に助かっています。食材をまとめて買って、冷凍ストックしておけます。地味ですが、生活の強い味方です。

・悪い点

お部屋が寒いです。暖房(オイルヒーター)はついていますが、お部屋全体がぽかぽかにはなりません。ベッドが窓際にあるので、カーテンの隙間から冷気が入らないよう、ものを置いています(写真参照)。備え付けの寝具がまくら・シーツ・毛布で、お布団がないのも寒い一因です。12月に帰国した友人が見かねてお布団を置いて行ってくれたので、いまは問題ありません。みなさまには、妙な節約根性をださず、最初からお布団の購入をおすすめします。あとは、些末なことですが、お部屋にある椅子ふたつとも、背もたれがありません。背筋が鍛えられるか、姿勢が悪くなります。わたしは後者です。

 

 

インターネットは使用できますか?

有線で使用できます。わたしはコードを日本から持参しました。寮内の場所によってはwi-fiも使えます。以前のレポートにも書きましたが、わたしは携帯電話にSIMカードを入れて、インターネットを利用しています。日本に比べて格段にお安く、ひと月9€でたっぷり50GB使えます。データを大量に消費しそうな作業をするときは、大学の図書館で行います。学校のwi-fiのほうがスピードもはやく、安定しているのです。

 

 

宿舎内で他の学生との交流はありますか?

共用キッチンで交流があります。なんとはなしに会話が始まるのです。「どこからきたの?」という話から始まり、「なにつくってるの?」という話からお夕飯をごちそうになったこともあります。 友達とお茶をしたり、勉強をしたり、お酒を飲んだりする際も、外に出かけるというよりは、このキッチンで済ませてしまうことのほうが多いです。節約家はわたしだけではないようです。前期クラスのお別れ会も、食材やごはんを持ち寄って、共用キッチンで行いました。
また、1階にある共用部分でも交流のチャンスがあります。建物を入るとすぐ、自販機とソファが置いてあるのですが、そこで友人と話していると、知らない人がその輪に入ってくることが多々あります。どうも、日本好きの方が多いようです。マンガや食など興味を持って話しかけてきてくれるので、コミュニケーションがしやすいなと感じています。ランドリーで話しかけられ、友達になったこともあります。

 

 

通学時間・手段について教えて下さい。

徒歩です。外国語学科の校舎まで10分もかかりません。12月に大規模なストライキがあり、トラムもバスも思うように動きませんでした(トラムの会社もバスの会社も、営業を止めていないのですが、デモ隊が行く手を阻むのです)。大学から離れたところに住んでいる学生たちは、通学を諦めていました。この状況を目の当たりにした時に、「寮に住んでてよかった…」と心の底から思いました。

 

 

秋学期の学期末テストはどのように行われましたか?

12月の第3週、4日間にわたっておこなわれました。
一か月くらい前に、「試験通知書」という仰々しい書類をもらいます。「絶対に失くさないでよ…」と何度も先生に念を押され、受け取りのサインをします。封筒の中には、自分の試験番号や試験日程が入っています。試験は匿名でおこなうため、試験番号がふられるのです。日本の大学で受けていたテストとは、だいぶ異なっていました。
1日1教科テストが行われ、試験時間は1時間半だったり2時間だったりとまちまちです。授業内容を問う試験もあれば、DELF/DALF等の語学試験のように、リスニング・ライティング・リーディングの能力を見る試験もあります。選択問題は少なく、基本的には筆記問題でした。
紙の仏仏辞書の持ち込みが許されているので、お持ちの方はフランスに持ってこられることをおすすめします。わたしはふだん電子辞書を使っているので、試験の際は図書室で借りてきました。利用者がいっぱいで借りられないこともあるので、買ったほうがよいかもしれません。