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第28期奨学生の留学体験レポート

 

小山 柚子様 カーンレポート3

 

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秋晴れのキャンパスです

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友だちとフランス中部のシュノンソー城まで行ってきました

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異文化交流ナイトのプログラムです

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蜘蛛に変身する役でした。蜘蛛を手作りしました

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劇は大成功に終わりました

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モンサンミッシェル。晴れてラッキーでした

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人気の避暑地・オンフルール。かわいい港町です

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崖で有名なエトルタ。7月ですが、海は冷たかったです

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スポーツセンターで合気道のお稽古をしています

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合気道研修会の時の、集合写真です

クラスの担任をご紹介下さい

一番コマ数の多いコミュニケーションのクラスを受け持っている先生が、実質担任の先生と言えます。コミュニケーションのクラスは、週に3回あります。
Armell先生の名前を口にすると、クラスメイトも、そうでないひともこぞって、「彼女はいい先生だよね!」と言います。おおらかで、包容力のある、やさしい先生です。わたしの面談も担当してくれています。自分に足りない能力、それから今後の進路についても、親身で、的確なアドバイスをくれます。わたしが、「うまく発言できなくて…」と相談すると、「じゃあ話題をふるわね!」と言ってそれ以来、授業中にわたしがしゃべりやすくなる、絶妙なパスをくれます。
怒っているのを見たことがありませんが、授業に15分遅刻すると、教室に入れてもらえません。教室はオートロックなので、ノックをして、中にいる人に開けてもらわなければ入室できません。15分を過ぎてノックが聞こえると、「開けなくていいわよ」と笑顔で言います。遅刻に厳しいところも、好きです。

 

 

授業の進め方はどうですか?

B2クラスからは、「テキスト分析コース」か、「言語と文学コース」のどちらかを選択します。「テキスト分析コース」は、大学で学生たちが読むような文章を、いかにして読むか、ということに重きを置いて授業が行われているようです。わたしは、「言語と文学コース」を選択しています。
必修の授業もコースの授業も、進め方はだいたい同じです。教科書はあまり使わず、先生方が各自思い思いのテキストを用意しています。パワーポイントをデータで配布、という先生もいます。そのテキストに関する問題を、周りのクラスメイトと解いて、答え合わせをするというのが大方の流れです。否が応でも、クラスメイトと話さなくてはならないので、オーラルの練習になりますし、なによりクラスメイトとの距離が縮まります。また、プレゼンテーションやテストも多いので、常にほどよい緊張感があります。

 

 

宿題は出ますか? どのくらいの頻度や量ですか?

宿題は、ほぼ毎授業で出ます。テキストが配られ、「次の授業までに読んできてね」という内容が多いです。そこまで重いものではありません。A4サイズのプリントが一枚くらいで、その日のうちに終わるような宿題です。
前述したように、プレゼンテーションやテストが多いので、そちらの準備も同時に進めなければいけません。プレゼンテーションは、ひとりで行うものもあれば、グループで行うものもあります。メンバーと連絡を取り合って、休みの日にミーティングをすることもありました。

 

 

具体的な授業内容を 2 つ選んで教えて下さい

・Itinéraire intercultural(異文化理解)
必修の授業のひとつで、週に2コマあります。異文化理解と言っても、テーマは「言語」に絞られています。1コマはクラス全員で受け、先生がフランス語の変遷について説明してくれます。9世紀のフランス語から、現代におけるフランス語の地域差まで、幅広く勉強しました。
もう1コマは、クラスを半分に分けて行われます。それぞれ異なったテーマを与えられ、自分の母国語に関して、ひとりずつプレゼンテーションをします。この、クラスメイトの発表を聞くのが、大変おもしろかったです。例えばボリビアでは、36もの公用語があるそうです。クラスメイトのボリビア人は、引っ越しをしたこともあって、3つの言語を喋れるとのこと。日本で日本語だけを使ってきた自分にとっては、興味深い内容ばかりでした。
わたしが与えられたテーマは、「日本語における、親しみの出し方」でした。敬語と一般の日本語との違いや、若者が好む話し方について、プレゼンテーションをしました。「わたしは、違うクラスにいる2つ年上の日本人にも、敬語を使って話す」と説明したとき、フランス人の先生が大層驚いていたのが印象的でした。
・Projet culturel(カルチャープロジェクト)
 コースの授業のひとつです。クラスの中でグループを作り、それぞれ好きな文化に係るプロジェクトに取り組みます。わたしは、韓国人、ブラジル人、ベトナム人と4人のグループで、「それぞれの国の童話を合体させて新しいお話を作り、劇を上映する」というプロジェクトに取り組みました。ほかに3つグループがあり、「カーンの建築物の歴史」「カーンの学生組合」「留学生がフランスに来て衝撃だったこと」というテーマでそれぞれ取り組んでいました。
はじめは、コミュニケーションをとるのも一苦労です。当たり前ですが、4人とも違う考え方をします。そんな中、フランス語で折衷案を出し合うというのが、特に難しい作業でした。が、話し合いを重ねるごとにいい意味で遠慮がなくなり、最後にはゲラゲラ笑いながらリハーサルをおこなうくらいの仲になりました。脚本も本当に面白いものが仕上がり、外国語学科主催の「La soirée interculturelle(異文化交流ナイト)」というイベントで公演も行いました。公演が終わったあと、クラスメイト、先生、知らないひとたちからも、「大成功だよ」「おめでとう!」「すごくおもしろかった」と口々にほめてもらったときには、この上ない達成感でした。

 

 

学校のイベントやエクスカーションに参加されましたか?

夏のプログラムでは、エクスカーションによく参加しました。モン・サン=ミシェルも行きましたし、印象派の画家たちがこぞって絵に残したオンフルール、エトルタといったノルマンディーの街にも行きました。キャンパスからバスを出してくれるので、楽々でした。
9月から新学期が始まると、エクスカーションへの参加枠が応募者に対して少なく、激戦といった様子でした。遠出のイベント以外にも、新学期最初の一週間で、キャンパスツアー、カーンツアーを組んでくれています。ビーチや市場にも連れて行ってくれるので、問題なくカーンになじんでいけます。そのときに仲良くなったひととは、クラスが違ってもいまだに仲良くしています。

 

 

スポーツや、文化活動等、学校以外に参加した事はありますか?

街の合気道クラブに入りました。経験のあるスポーツのほうが、たとえフランス語が通じなくとも、参加しやすいのではないかと考えたからです。予想どおり、問題なく楽しめています。が、習いたてのかたが多いクラブなので、おこがましくも、わたしが教える側に回らなくてはいけなくなります。フランス語で合気道を教えるのは、日常生活で使わない表現が多く、想像以上に難しいです。でもみなさん、わたしの拙いフランス語を一生懸命聞いてくださいます。日本自体にも興味を持ってくれているからか、とても交流しやすいです。「日本のエンペラー変わったね!」「台風だいじょうぶ?」などと話しかけてくれます。
11月下旬の週末には、カーンで行われた研修会にも参加してきました。パリから師範が、そしてフランス各地から合気道愛好家たちが集まりました。日本人、もとい外国人はわたしひとりで、みなさんにたくさん目をかけていただきました。