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第27期奨学生の留学体験レポート

 

高山里子様 リヨンレポート6

10月も終わりフランスはすっかり秋になりました。黄色く染まった木々を見て日本の紅葉とはまた違った美しさがあるなあと思う今日この頃です。つい先日サマータイムが終わり日本との時差も8時間に戻りました。サマータイムって意外と長期間なのだなあと感じるのと同時に日の出が遅く日没が早くなり気分はもうほとんど冬です。さて今回は私のフランス語力の変化やリヨンの映画館についてお話したいと思います。

 

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天気の良い秋の日

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朝8時前とは思えない暗さ、日の出が遅いです

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大学の中庭。卓球台があり楽しい雰囲気です

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ある日のカフェテリアでのランチ。お気に入りのメニューのクロックムッシュです

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わたしの好きな旧市街ににある図書館です

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ドラえもん(なぜか45巻)とフランソワサガンの『悲しみよこんにちは』

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リュミエール博物館の塀には、リヨン を訪れた映画監督たちの名前が彫ってある盾が並んでいます

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Lumière映画館のひとつです。寮に一番近い映画館でもあります

フランス語力に変化はありましたか

変化はあります。私がもともとレベルが高くない状態で来たこともありますが学期が変わってクラスもA2からB1へ上がったように変化は少なからずあると思います。例えば、以前は街でお店に入ってもお店の人が喋る速いフランス語が聞き取れず英語に変えてもらうことがよくあり悲しくなっていたのですが、現在はお店の人とフランス語で会話ができるほどにはなりました。友人や学校の先生は聞き取りやすく喋ってくれますし、聞き返せば丁寧に説明してくれますが街の人はそうではありません。なのでマルシェで食材の説明を聞くときや、人に道を聞かれたとき、電車で日本の本を読んでいて話しかけられたときなど、ほんのちょっとした時に普通に会話ができることが嬉しかったりします。しかし以前より確実に聞き取れるようになってきたという実感がある反面、それは前知識があったり簡単なフレーズであったりするからであって、街を歩きながら話している若い子たちに耳を傾けてみたり、フランス映画を字幕なしで観たりすると何を話しているかさっぱりわかりません。少しずつ少しずつ進歩していくほかないのだなと思っています。ですがやはり周りがフランス語だけという環境に身を置くことはフランス語力の向上にとても重要なことだと強く感じています。日本で1年間フランス語学習を続けていただけでは身につかないフランス語力はついたと思っています。日本に帰ってもフランス語を学び続けると同時に日常生活でフランス語に触れ続けておくことが非常に大切だなと思っています。

 

学校以外でどのようにフランス語を学習されていますか

現在している学習法は主に・授業の復習・ラジオを聴く・フランス映画を観る・フランス人と会話をする、ことです。
その中でも特に授業の復習は重要だと思います。先生が丁寧に説明してくれたものがある上で、さらにもう一度書いたり読んだり分からない言葉を調べたりすることでより一層理解が深まります。
ラジオは毎日学校の行きや帰りに『Journal en français facile』 という番組を聴いています。学校の先生に教えてもらって聴き始めたのですが語学学校で長年外国人にフランス語を教えている先生のおすすめなので間違いはないと思います。ポッドキャスト、もしくはrfiというインターネットサイトから聴くことも可能です。毎日更新され基本的に毎回10分ほどで、またインターネットサイトに文字起こしされたトランスクリプションが掲載されているのでそれを読みながら聴くとより理解を深めることが出来ます。私はまず何もない状態で歩きながら最新のニュースを聴きます。そして落ち着いた状態でトランスクリプションを読んでよくわからなかった部分の理解を深めます。そして次の日に前日のトランスクリプションを読んだ放送を何もなしで聴きます。そして続けて最新の放送をまた何もなしで聴いてあとは同じことを繰り返す、という方法で聴いています。
フランス映画は映画館やNetflixなどの動画配信サービスを利用して観ています。映画館では字幕はありませんが動画配信サービスにはフランス語の字幕が付けられるようになっているので基本的にそのようにして観ています。そしてそこで分からなかった単語や言い回しを調べるようにしています。
フランス人との会話ではネイティブの言い回しを知ることが出来たり、細かいニュアンスの違いを聞いたりしています。
フランス語の本も少しずつ読んでみていますがかなり難しいので、まずはフランスで多く販売されている日本の漫画(フランス語版)の中からもともと知っている漫画を購入して読んでみることから始めてみるのも良いかもしれません。
とはいってもどれも日本語で見たり聞いたりするよりも集中力を要し疲れることもあるので、無理をしない程度で続けていくことが大事だと思います。初めの頃はフランス語力が追い付いていなく理解できる言葉も少なくただつまらないだけになってしまい、映画を聞き流していたり、ラジオを聞かなくなってしまった時期もありました。フランス語の学習がストレスになってしまうのは良くないと思うので全て無理せずに続けられるよう毎日の生活の中に少しずつ組み込んで少しでも触れておくことが大切なのかなと思います。

 

 

学校内の設備について教えてください(自習室、ラボ、図書館、カフェテリア、学食等)

リヨン第2大学には自習室というものは無いので勉強したい時は図書館にある自習スペースを利用しています。図書館自体そこまで大きくはありませんが5階まであり各フロアに自習スペースがある形になっています。もちろん図書館の本を借りることも出来ます。また学食も無くあるのはカフェテリアのみです。ですがカフェテリア自体が広く、雰囲気は学食に近いです。しっかりとしたご飯はありませんがサラダバーやサンドイッチ、ピザやハンバーガーなど軽食はたくさん種類があるので特に学食が無くて困ることはありません。
またこれは学校の設備ではありませんが、リヨンにいくつか図書館があるのでそこで勉強をすることもおすすめします。私は旧市街にある図書館の雰囲気が好きで時々行っています。

 


学校の時間割を教えてください

リヨン第2大学では前のセメスターと同じくA1から順にレベルごとに分かれており、さらにそのレベルの中でいくつかのグループに分けられます。そしてそのグループでひと学期授業を受けていくことになります。さらにそのグループごとによって時間割は異なります。
今期の時間割も前期と同じく、一週間のうち1日が休みで他の曜日の授業の時間帯は日によって異なります。間に空きコマがある日もありますが月曜日が12時―18時、火曜日が10時―18時、水曜日が8時―14時、木曜日が休みで金曜日が10時―14時といった時間割になっています。授業の無い時間はカフェテリアでご飯を食べたり図書館で勉強をしたりクラスメイトとおしゃべりをしたりして過ごしています。
前期でA2だった私は今期でB1に上がったのですが、それ故か今期からオプションと呼ばれる選択授業を受けることが出来るようになりました。ファッションや映画、歴史に経済、演劇に創作作文など様々なテーマから2つを選択することが出来ます。またこの選択授業は普段のグループ関係なく同じレベルの人たちの中で新たにクラス分けをされるので普段話すことのない人たちと話すことが出来ますし、何より今まで「フランス語」のみを授業で学んでいた私にとって「フランス語を使って」何かを学べるという経験をすることができて非常に嬉しかったです。

 

 

リヨンの映画館

最後にリヨンの映画館について少し紹介します。リヨンは映画を発明したリュミエール兄弟がいた街であり映画発祥の地としても有名です。そのためかリヨンには映画館が非常に多く、映画を観に行く文化が根付いているような気がします。またリヨンにはリュミエール博物館があり、リュミエール兄弟が実際に住んでいた場所を訪れ映画の歴史について学ぶことが出来ます。10月にはリヨンで映画祭が行われ、著名な映画関係者がリヨンを訪れるだけでなくリヨン市内の各映画館で古い映画が上映されたり、古いカメラやポスター、DVDなどが売られるマルシェなど、様々なイベントもあり非常に活気づいています。私も映画祭の前日に友人と昔の映画の特別上映を観ようとチケットを取ろうとしましたがすでに売り切れておりこの映画祭がリヨンの人たちにいかに人気であるかを感じました。マルシェでは残念ながら収穫は無かったもののなかなか普段見ることのできないカメラを見ることができ、歩いてみているだけでもわくわくするものでした。
リヨンの映画館は全国的に展開されている大きな映画館から、小さなミニシアターと呼ばれるような映画館までざっと数えても10以上はあると思います。友人と行くこともあれば一人で行くこともあるのですがその中でも私がよく行くのは「Lumière 」とついた映画館です。リヨン市内に3館ありそれぞれ違う映画を上映しているので観たい映画に合わせて行きます。どこもこじんまりとした空間で居心地が良く好きな映画館です。また料金も学生だと6.7ユーロと日本に比べて安めなのも嬉しい点です。またフランス人と一緒に映画を観ていると、エンドロールを観ずに本編が終わるとさっさと帰る人が多いということも発見しました。時々日本の映画も上映されています。