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第21期奨学生の留学体験レポート

 

白井拓朗 様 エクスレポート5

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エクス=マルセイユ大学の建物
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学期末試験直前の教室
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授業最終日に先生とクラスメイトとパーティー
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みんなが作ってきた料理
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公園でみんなと(中央で立っているのが先生)
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みんなで談笑
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よく一緒にいた三人
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友達と訪れたゴルド

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赤い村のルシヨン
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赤い村のルシヨン

 

●クラスメイトを紹介して下さい。具体的な人数、国籍、年齢、クラスの雰囲気、授業の進め方等
第2期はB1レベルのCクラスになりました。クラスメイトは17名と多いです。クラスメイトは私を含めて半分がアジア系となり、日本人4人、韓国人3人、中国人2人です。残りはアメリカ人4人、メキシコ人1名、コロンビア人1人、エストニア人1人、ギリシア人1人です。年齢層は20代前半から30代前半となります。男性は4人しかいないので、男性同士で会話する機会が多いです。休み時間のときは、男性3人で大学のカフェに行ったりしています。クラスメイトのほとんどが大学生ですが、エクスやマルセイユで仕事をしながら語学学校に通っている人もいます。クラスの雰囲気は落ち着いた様子ですが、休み時間となると同じ国の留学生で固まってしまうことが多いですし、授業でもアジア系でまとまってしまうことがよくあります。なので、先生が授業中に席替えをさせて、同じ国同士でまとまらないようにしています。第2期の私の授業はフランス語とアトリエを入れると週4日となり、朝8時半から夕方までという日が3日あり、長い時間学校にいることが多くなりました。次の授業まで時間があるときは図書館に行き、勉強しているとクラスメイトと会うこともあります。授業はB1レベルということで内容も難しくなり、これまで現在・過去・未来形だけで良かった文法も接続法や条件法もでてくるようになりました。覚えなくてはいけない単語の数も多くて、辞書を片手に作業しています。


●クラスの担任を具体的に紹介してください。

私のクラスの先生は年配の女性でBonnefoy先生といいます。エクス=アン=プロヴァンス市内に住んでいて、私の住んでいるレジデンス近くに先生の家があるので、休日に見かけたことがあります。先生は笑顔が素敵なマダムでいつも黒い帽子を被り、朝学校に向かう途中で先生に会うとだいたいお昼のためのバゲットを持っていて、私がイメージするフランスの女性そのものだと思います。授業では先生はボキャブラリーを増やすことを重点に置いているので小説を読むことがあります。小説と言っても分厚い本ではなく、先生が気に入っている短編小説を持ってきます。先生は本を読むことが好きなので、私たちでも簡単に読める本を授業中に紹介してくれて、休憩時間にはフランス語の言葉遊びのゲームをやってくれます。フランス語の諺も教えてくれて、日本でもある動物を使った諺を紹介してくれます。3月になって暖かくなり、天気が良い日には外で授業をしたりしました。授業最終日には先生が作って来てくれた料理を食べました。第2期の授業は大変でしたが、素晴らしい先生に出会えて良かったです。

 

●授業の進め方はどうですか?

授業ではテキストを使わず、先生が問題集をコピーし、そのプリントを授業内で行うスタイルになっています。最初の頃は複合過去と半過去の違いを徹底的にやりました。先生が説明し、問題を解くという形でやりました。その合間にボキャブラリーや小説を読んだりします。毎週木曜日は生徒同士で議論する日になっていて、一人が議長となりテーマを出し、みんなでそのテーマについて話し合います。月曜日はラボにて聴き取りをやりました。中盤になると接続法と条件法についてやりました。私は日本で少し触れたぐらいでしっかりと勉強したことがなく、授業で先生が説明してくれますが理解するまでだいぶ時間がかかりました。他の生徒も同様だったので先生も時間をたくさんとって説明してくれました。授業も終盤になると学期末の試験対策をやりました。過去の筆記問題を授業中にやり、解答と説明を先生がやります。面接試験の対策もやりました。


●宿題は出ますか?

宿題は毎日でなく1週間に1回出されます。主に作文が多いです。内容はその都度先生が考えます。これまでみんなの初恋の話、物語を考えて書く、ある人の伝記など様々なテーマで出されました。分量はだいたいA4用紙の表を埋めるぐらい書いてくるように言われます。正直、宿題がそれだけなので授業のない日に終わらせることができます。ですが、B1レベルとなる授業内で出てくるボキャブラリーの量や授業の内容がA2に比べると多く、複雑になってきたので私は土日にその復習と次にやるところの予習をしたりしています。


●具体的な授業内容を2つ選んで教えて下さい。

1つ目はRégions françaisesについて紹介します。「フランス地域」ということですが、その名の通り、フランス各地域の地理、文化、歴史を全般に学びます。先生がガイドブックに載っている各地域が記載されているプリントを配り、それを読み、先生が解説してくれます。前半の授業はプリントを使って学び、問題練習もやったりして理解を深めていきます。バカンス後の後半の授業では生徒が自分で選んだ地域について発表します。私はブルゴーニュについて発表しました。プレゼン用のスライドと原稿を作り、写真や地図も使いながらみんなの前で説明しました。準備するまですごく時間がかかりましたが、終わった後は達成感もあり、とても楽しかったです。
2つ目はLangue Françaiseについてですが、私たちのクラスが毎週木曜日にやっていた議論Débatを紹介します。生徒1人がテーマを設定し、そのテーマに沿ってみんなで議論します。私はこの議論がとても苦手で大変でした。私は生徒同士で議論するような授業を日本で受けたことがなく、海外ならではの授業だと思いましたし、何よりもすべてフランス語なので苦戦しました。テーマは様々で死刑制度、SNS、英語を学ぶことは重要か、安楽死などがありました。議論が終わると先生が専門の用語を解説してくれます。この授業では自分の意見を言う方法、相手の意見に対して賛成なのか、反対なのか、その理由はという一般的な議論の方法を学びました。大変な授業でしたが、他の国から来ている留学生がどのように考えているのかを知ることができて良かったです。


●学校のイベントやエクスカーションに参加されましたか?

私の行っていた学校ではイベントも企画されたりしていますが、私は参加したことがありません。学校の方も積極的に参加を呼び掛けている感じもありません。なので、クラスごとで何かイベントを企画したりすることが多いです。私のクラスでは、クラスメイトと食事に行ったり、天気が良い日は先生が大学近くにある公園で授業をやったりしました。私のクラスではなかったですが、他のクラスではマルセイユにみんなで行き、校外授業を兼ねたエクスカーションがあったということを聞きました。


●持ってきたけれど不要だった物はありますか?

 フランスに持って行って不要だったのはゲーム機(PSP)だと思います。日本では電車の移動や暇な時間によくゲームをやっていました。フランスでは娯楽が限られると思ってゲーム機を持ってきたのですが、こちらの生活ではゲームをしているよりもフランス語や日本語の本を読み、フランス語の勉強をしている方が楽しいし、いつもの環境とは違う所で勉強、読書をすることは、自分にとっては新鮮で有益な時間となりました。旅行に行った際にも、移動の電車でゲームをしているよりも、日本では見ることができないフランスの広大な平野や緑豊かな山々を見ているほうがとても楽しいです。何よりもせっかくフランスに来ているのに下を見てゲームをするよりも、周囲を見てヒトやモノの動きを見ていると日本とはまったく違うことに気づかされます。例えば、日本では自転車を電車に積むことはできませんが、フランスのローカル線(TER)では自転車を立てかける専用の場所があり、そこに自転車を置きます。バカンスの時期に電車に乗ると、最低1人か2人は自転車を持って乗り込んできます。そして、彼らはヨーロッパを自転車と電車を使いながら回っているようで、近くに座った人に話しかけて、他愛もない会話から次に行く町の情報を聞き出し、楽しそうに会話しています。私も2回ほど話しかけられたことがありました。話しかけてきた男性はスペイン人で、英語や多少はわかるフランス語で私に話しかけてきました。どこから来たとかどこに行くとか、日本のことを聞かれたりしました。私は必要がないかぎり人に話しかけたりはしません。これは日本では普通のことだと思います。彼らの積極性には感心します。話が脱線してしまいましたが、フランスに来たならば日本ではできないことをたくさんできる機会に恵まれるので、ぜひいろいろと経験して欲しいです。