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フランス留学体験談第1期奨学生>矢野様エクサン・プロヴァンス

第1期奨学生の留学体験レポート

 

鈴木亜矢様のエクサン・プロヴァンス留学

研修校:アイエス・エクサンプロヴァンス

期間:3ヶ月 滞在スタイル:ホームステイ

 

エクスの日々

行きつけのレストランの”おかあさん!”とても親切でした。ここでは、なじみの客同士お話して友達になったりしました。
エクスのカフェ
エクスの日曜日
偶然 VANCEで結婚式に遭遇しました
アルルのカフェ。ゴッホのモティーフです。
お手伝いした書道のデモンストレーション
大好きなMANTONの浜辺です
カシーの町並み
エクスの代表的お菓子”カリソン”
ボー プロヴァンスの町並み
泉の町エクスを象徴するようにあちこちに泉があります。

 

○エクサン・プロヴァンスの町
8月から3ヶ月間、南仏プロヴァンス地方に留学しました。
私の暮らしていたエクスは、青い空、黄色の壁の家々、町の中心にあるメイン・ストリートを歩けば「ボンジュール!あや」と知り合いに声をかけられる小さな町です。私が過ごした夏から秋にかけては、この地域では一番良い季節だと思います。夏の日差しはとても強いのですが、空気はからっとしていてどこまでも続く青い空は気分をポジティブにしてくれます。また秋の肌寒い季節は、自然の移り変わりがとてもきれいです。

 

○ IS校
私が通っていた学校“IS”は、少人数教育で生徒の自主性を重んじています。生徒はヨーロッパ人が多く、年齢は10代から70代まで幅広いのが特徴です。ヨーロッパの人たちのほとんどは休暇を利用してくる人が多いので、1、2週間で帰国します。先生は、親切で熱意のある人が多いように感じました。毎回授業が始まるときに、自分が何を中心に勉強したいのかを生徒一人づつに聞きます。ヨーロッパ人にとってフランス語の聞き取りは問題が無いので、彼らは文法を中心に勉強したいと要望します。日本人は全く逆です。私もそうですが、どちらかというと文法は得意な人が多いと思います。だから、たとえクラスに日本人が一人でも自分が討論や聞き取り、ディクテが苦手だから、それらを中心に勉強したいと先生に言えば、必ず授業にその練習を盛り込んでくれます。フランスでは、自分から発信しないと何も動きません。でも、意見を言えば必ず事態は動きますし、周囲にも評価はされます。授業は、文法練習、新聞の要約、テーマに基づいた討論、CDでシャンソンを聞いたり、ラジオやテレビでニュースを聞き要約するなど幅広く学びました。また、2週間に一度、一人ずつプレゼンをしなければいけません。テーマは自由ですが、その後そのテーマに基づいて皆で討論するので、それを考慮したテーマを選びます。このプレゼンもそうですが、授業では多く討論しました。多種多様な国籍と年齢の方々と意見を交換できることはとても有意義でした。よく知らない国の情報や社会について知ることは興味深く、また年上の方のお話には感慨深い内容も多く勉強になりました。また同時に自分の無知さも思い知らされました。討論の内容は、政治、経済、宗教、社会、文化と幅広いため、たとえフランス語が堪能であったとしても、もとの知識が豊富ではないと討論にはなりません。日本を他国の人々に紹介する上で、改めて日本を学ぶチャンスに恵まれました。

 

○フランス語プラスα
語学の授業の他、プロヴァンス料理クラス、アートコースも受講しました。料理クラスは、実際にエクスのレストランでシェフに料理を教えてもらったり、一般家庭で料理を学んだり、シャトーでワインやオリーブオイルの見学をしたりと“美味しい授業”でした。クラスメートは、語学の授業では違うレベルの人なので、みんなで助け合いながらわかる人がわからない人に教えながら調理実習をしたり、時には休日食事に出かけたりと和気藹々なクラスでした。アートクラスでは、画家の家でデッサンの基礎から学びました。画家の家の庭で青い空の下、描く時間は快適で、友人たちとレモネード等を飲みながら5、6枚の絵を仕上げました。色を指定されて描かなければいけなかったり、ナイフだけで仕上げなければいけない制約された課題は難しく感じましたが、大変面白い内容でもありました。たまたまアートクラスのクラスメート全員が、語学のクラスでも同じクラスでしたので、授業の内容について話しながら作業をしたり、クラスメートのイタリア人の子供とバトミントンをしたり、またブラジル人にサンバを教えてもらったりと休憩も楽しい時間でした。

 

○エクス近郊へのエクスカーション
学校では毎日何か参加できるプログラムが用意されている他、毎週末エクスカーションで周辺の地方へバス旅行が用意されているので、それに参加し、あちらこちら見学に行きました。マルセル・パニョルが書いた小説そのままが残るリュベロン地方や、青い海やカランクが美しいカシーなど自分で行くには不便な場所にもバスで行くので悩む必要はありません。何より違うクラスの友人と話す機会がありますので積極的に話しました。様々な国のアクセントのあるフランス語に触れることは聴覚をならすのに役立ちましたし、世界中の国々について教えてもらうことは私にとって好奇心がうずくものでした。
私はその他に個人でも休日を利用して旅行に行きました。ほとんどのクラスメートが2週間で帰国してしまうので、わたしにとって2週間目の金曜日は悲しい日でした。その悲しみを避けるため考えた手段は、2週間に一度旅行に出かけることでした。旅先では、観光ポイントを見学することは初めて見ることもあり感動しましたが、現地の人とフランス語で会話することも楽しい経験でした。そこで自分の会話能力がUPしていることに気づきました。これは、更に勉強意欲を邁進させました。

 

○日仏交流
また、現地で知り合った在仏日本人の方のお手伝いで、マルセイユのイベント会場で書道のデモンストレーションのアシスタントをしてフランス人に書道を教えたり、エクスの日本語教室のアシスタントをしてフランス人に日本語を教えたりと学外で日本を紹介する機会にも恵まれたのは、予定外の思わぬ経験でした。フランス人からの質問は私にとって意外なものが多く、日本語の奥深さを反対に学んだと同時に、また私が外国語を学ぶ上の壁を同様にフランス人が日本語を学ぶ上でも抱えているということがわかりました。フランス語で日本について説明する練習にもなりました。

 

○ホームステイ
ホームステイ先では、食べきれないほどのフランス料理を毎日作ってもらいました。最初お互いに理解できない部分もありましたが、何度か話し合いをすることでそれも乗り越えました。今では良い思い出です。家庭では、おしゃべりなマダムと夕食中に何時間も話すことで、日常会話能力が養われたと思います。

 

○エクスでの日々
私の留学は3ヶ月とは思えないほどの充実した日々でした。何より世界中に友人が出来たことが財産だと思っています。フランスを通じて私の視野が世界へと広がりました。次回、友人たちと世界の各地で再会できることを楽しみにしています。私たちの共通語はフランス語です。お互いを更に理解する為にもそれぞれ自国に戻り、フランス語の勉強を続けることを誓い合いました。また、留学中私を支えてくれたISの先生方、エクスの人々、ホームステイ先のマダム、近所の方々、そして日仏文化協会の現地スタッフの方に感謝しております。最終日にみんなが私の帰国を悲しみ、別れを惜しんでくれたことを思い出すだけで胸がいっぱいになります。
日本に帰国して、ぽっかりと穴が開いたさみしい気分になっています。しかし、デンマークの親友が“離れ離れになってもいつも一緒よ“と渡してくれたハンドメイドのビーズの指輪が、優しく私のことを守ってくれています。
私にとって、今回の留学ではフランス語能力の向上は勿論ありましたが、それ以上プラスαの経験が多くあったように思います。
エクスは私にとって第二の故郷になりました。フランス人たちに帰国間際、私が半分日本人、半分エクソワーズになったと言われたので、日本に戻っても私はエクソワーズです。
最後に、日仏文化協会のスタッフの方々にお礼を申し上げます。私にエクスを薦めて頂いた事、そして私にこのようなかけがえない機会を下さった事に感謝いたします。