私が研修地に選んだストラスブールは、ドイツとの国境に位置するアルザス地方の町です。街の中心には大聖堂や「プティット・フランス」などの観光地が広がり、美しい自然の中に人々の暮らしが感じられる、とても素敵な場所でした。特に、晴れた日にイル川にかかる橋から見える景色がお気に入りで、気分が落ち込んだときもその景色を見ることで前向きな気持ちになれました。事前に「ストラスブールの人は温かい」という情報を目にしていましたが、実際に滞在してみて、多くの優しさに触れることができました。例えば、語学学校に初めて登校する日の電車の中でとても緊張していた私に、見知らぬ男性が「今日から語学学校?頑張ってね」と声をかけてくれたことで、少し気持ちが楽になりました。また、大聖堂に一人で登ったときには警備員の方が話しかけてくださり、大聖堂の歴史やストラスブールのおすすめスポットを教えてくださっただけでなく、フランス語の勉強も応援してくださり、とても嬉しい気持ちになりました。
ストラスブール国際外国語学校では、中級クラスで学習し、2週間で1つの単元を進め、2週目の金曜日にミニテストが行われ、自分の習熟度を確認することができました。クラスは固定でしたが、生徒は毎週入れ替わりがあり、出会いと別れの多い環境でした。私が留学していた期間には「消費」や「働き方」に関する単元で、それに関連した語彙や文法を学び、練習問題や宿題でしっかり復習することができました。また、「読む・聞く・話す」といった技能をバランスよく学ぶ機会があり、集中して取り組むことができました。ちょうど私が入校した週が2週目で、さらに他国でもバカンス中だったことからクラスの人数が多く、同じ国の出身者同士でグループができていて、最初はなかなか馴染むのが難しかったです。そこで、少しでも早くクラスに溶け込めるよう、隣の生徒に簡単な質問をしてみるなど自分なりに努力しました。中には日本のアニメを見たことがある人や、日本語のあいさつを話してくれる人もいて、自分の国の文化を知ってもらえていることがとても嬉しかったです。2週目以降は特にドイツ出身の方が多く、ドイツでは学習休暇を取得できる制度があるため、仕事でフランス語を使う目的で学びに来ている方が多く見受けられました。年上の方々が熱心に学んでいる姿を見て、自分ももっと頑張ろうという刺激を受けました。クラスの人数も7人ほどと少人数になり、発言や質問がしやすい環境になったのも良かったです。授業後はアクティビティにも参加し、会話や文法の強化レッスン、博物館訪問などを通じて、他のクラスの生徒とも交流することができました。様々な国の人と「フランス語を学ぶ」という共通の目的で繋がり、ともに学習できたことは本当に貴重な経験でした。
さらに、ホームステイでの生活も忘れられない思い出です。私はマダムと2人暮らしで、私のために可愛らしい部屋を用意してくださり、安心して生活することができました。ホームステイ先は街の中心と学校の中間に位置しており、通学にもとても便利でした。朝食はパンとジュース、夕食はフランスの郷土料理を用意してくださり、庭で育てた野菜や果物、手作りのジャムやケチャップなど、食材にもこだわっておられ、フランス人が健康に気を配っていることを実感しました。そのため、マダムの作ってくださる料理はどれもとても美味しかったです。食事中には、日本とフランスの食文化の違いや学校制度の違い、家族のことなど、たくさん会話をすることができました。うまく伝えられず申し訳ないと感じることもありましたが、マダムは一生懸命理解しようとしてくださり、私も分からなかった言い回しや単語を後から調べることで、使える表現が増えていきました。留学中の様子もいつも気にかけてくださり、マダムと一緒に過ごした時間は本当にかけがえのないものでした。
長年憧れていたフランスでの留学生活は、楽しいことばかりではなく、慣れない土地でのひとりの生活や、思うようにフランス語が話せないもどかしさなど、悔しい思いもたくさんしました。しかしその分、一人でできることが増え、自分を成長させることができました。試行錯誤しながら、自分を見つめ直す良い機会にもなりました。その国の言語を学ぶことで、その国に住む人々の生活や価値観に触れ、日本を客観的に見る視点を得ることもでき、日本の良さや課題を改めて発見することができました。いつか再びフランスを訪れるときには、今とは違った視点で人々の暮らしや考え方を理解できるよう、目標を持ち続け、フランス語の学習を続けていきたいと思います。







