髙柳杏樹様 自己紹介

はじめまして。髙柳杏樹と申します。この秋からフランスに長期留学することになりました。留学にあたり、今の私を形作った出会いや経験について、3つの視点からお話ししたいと思います。

第一の理由は、「人との出会いを通して芽生えたフランスへの関心」です。
もともと私は英語を学んでおり、当初は英語圏への留学を検討していました。しかし、今年に入ってからご縁があり、私の周囲にはフランスをはじめとするヨーロッパ各国出身の友人が増えました。彼らとの交流を通じて、彼らが自国の文化や歴史に誇りを持ち、深い理解と愛情を抱いていることに感銘を受けたことがきっかけとなり、フランス留学への大きな動機になりました。
彼らとの対話は単なる語学的なやりとりにとどまらず、生活習慣、教育観、社会問題、哲学に至るまで多岐にわたりました。自分とは異なる価値観や考え方に触れる中で、私自身の視野が大きく広がっていくのを感じました。特にフランス人の友人たちとの会話を通して、フランス文化の奥深さや、彼らの自分の意見に対する芯の強さに強く惹かれるようになりました。日本にいるだけでは得られなかったこうした刺激的な対話と文化的交流が、私の中に「もっと深くフランスを知りたい」という思いを芽生えさせ、フランスへの留学を強く志すきっかけとなりました。
特に印象深い経験のひとつは、アルバイト先で出会ったフランス人留学生との交流です。彼女は出会って間もない私に対しても、フランス留学に行くことを伝えると、「フランスで困ったことがあれば、いつでも連絡してほしい」と穏やかに言葉をかけてくれ、その思いやりに心を動かされました。理由を尋ねると、「自分も留学中に孤独や不安を経験したから、同じ思いをしてほしくない」と答えてくれたのが印象に残っています。その言葉からは、異文化に対する柔軟さと、他者への温かなまなざしが感じられました。この出会いを通じて、私自身も国や文化の違いを越えて、他者に寄り添い、思いやりを持って接することのできる人間になりたいという思いを強くしました。彼女との交流は、漠然と抱いていた「海外への憧れ」を、フランス留学への強い決意へと変えてくれた出来事です。だからこそ私は、留学中も積極的に人と関わり、文化を越えた対話を大切にしていきたいと思っています。

第二の理由は、「フランスという国を通して、移民や多文化共生についての理解を深めたい」という思いです。現在のフランス社会は、多様な文化的・宗教的背景を持つ人々がともに暮らす多文化社会です。こうした環境の中では、新しい価値観や文化が生まれる一方で、差別や格差といった課題も存在しています。私は以前から、そうした社会背景に関心がありましたが、日本で暮らしているだけでは、その現実を肌で感じることは難しいと感じてきました。
だからこそ、実際に現地で生活し、人々との交流を重ねることで、表面的な理解を超えた「リアルな声」に触れたいと考えています。言葉を通してだけでなく、日々の暮らしや小さな対話の中で、多様性を受け入れるとはどういうことなのか、自分なりの視点で学び取りたいと思っています。そしてその経験が、今後どのような形であれ、人と人との橋渡しをするような役割につながると考えています。

第三の理由は、「将来の夢に向けて、語学力と国際感覚を磨きたい」という思いです。私は将来、国際機関で働くことを目指しています。そのためには、語学力はもちろんのこと、多様な価値観や文化を理解し、さまざまな立場の人々と協力していく力が必要だと感じています。特にフランス語は、国連や国際協力機関をはじめとする多くの国際機関において重要な公用語の一つであり、実際にフランス語圏で生活しながら学ぶことは、大きな意味を持つと考えています。
また、異なる文化の中に身を置くことで、自分自身の考え方や感性をより柔軟にし、ものごとを多角的に見る力を養いたいとも思っています。フランスには、歴史や芸術、哲学といった知の伝統が息づいており、そうした文化の中で、自分の価値観を広げ、今後の人生の選択肢をより豊かにしてくれる経験ができると確信しています。

今回のフランス留学生活を通して、言語や文化を学ぶだけでなく、自分自身を見つめ直し、成長する機会にしたいと考えています。新しい環境に飛び込むことへの緊張はありますが、それ以上に新しい発見や出会いへの期待が大きく膨らんでいます。この留学が、自分にとってかけがえのない経験になることを願いながら、準備を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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