山﨑愛莉様 リヨン留学7

節約術

リヨンでの留学生活において、節約は私にとって常に意識していたことでした。その分旅行に沢山お金を費やしたかったからです。笑
まず食事についてです。フランスでは外食費が高めで、特にレストランでの食事やテイクアウトを頻繁に利用していると、すぐに出費がかさんでしまいます。そのため、私はできるだけ自炊を心がけていました。CarrefourやAuchanなどの大型スーパーや価格帯が安めのLidl, ALDIを使い分けて、普段食材を買っていました。最初の数ヶ月は毎週末に開かれるマルシェも活用していました。スーパーよりも新鮮な野菜や果物を安く手に入れることができます。私はview lyon近辺のソーヌ川沿いにある比較的リヨンの中でも大きいマルシェに行っていました。閉店間際に行くと、値下げしていることもあり、タイミングを見て行くことも節約のコツでした。
また、crousの学食を利用するのもおすすめです。学生証を提示すれば、(前菜+メイン+デザート)わずか3-4ユーロで食べられます。

次に、生活用品や衣類についてです。中でも特におすすめなのがPrimark、Normalです。Primarkはファッションや生活雑貨を扱う大型チェーンで、服や靴、タオル、収納グッズなどが非常に安価で手に入ります。必要最低限のものを揃えるには最適でした。Normalは日用品や化粧品、お菓子類などの商品の価格が全体的に安く、ヨーロッパブランドのものが手頃な値段で購入できました。シャンプーや歯磨き粉などの消耗品を買う際には、Normalを利用するとスーパーよりもかなり出費を抑えることができます。
また、Crousが主催する学生向けイベントも大きな節約につながりました。中でも印象的だったのが、学期の始まりに行われたフリーマーケット形式の無料配布イベントです。学生が不要になったキッチン用品、衣類、食器などが会場に並べられ、誰でも自由に持ち帰ることができるというもので、私はこのイベントで鍋やマグカップ、カトラリー、ハンガーなどの生活必需品を一通りそろえることができました。新しく買いそろえると出費がかさむ部分なので、本当に助かりました。

自転車事情

私は自転車を利用していませんでしたが、リヨンではVélo’vというシェアサイクルサービスが普及しています。市内の移動手段として利用されていて、乗り捨て可能なシステムが整っているため、町のあちこちにVélo’vのステーションが設置されています。アプリで簡単に貸し出し返却ができるため、このサービスを使って通学している友達もいました。短距離であれば30分以内無料など、月額契約をしても安価で済みます。また、自転車専用道路が市内の主要な道路沿いや川沿いに数多くありました。自転車での移動が安全かつ快適に行える環境が日本より整っていたと感じます。

私の場合、主な交通手段は交通機関TCLの学生定期券でした。これは月額25ユーロ(約4000円)で市内のバス、地下鉄、トラムがすべて乗り放題になります。この定期券さえあれば、リヨン市内の移動はほとんどカバーできるため、自転車を使わずとも快適な移動が可能でした。私の周りのほとんどの学生はこの定期カードを持っていた印象です。

アルバイト事情

留学生活の前半の半年間は学業や生活に慣れることを優先し、アルバイトはしていませんでした。しかし、後半の半年間からは現地でのアルバイトを始めました。働いていたのは日本食レストランで、日本人一家が経営しているお店でした。日本人が経営しているということで働きやすく、日本語でのコミュニケーションが取れる安心感もあって、初めての海外アルバイトとしてはとても良い環境でした。とはいえ、接客をする相手のほとんどはフランス人だったため、注文の受け答えや説明にはフランス語を使う必要があり、実践的な語学力を身につける良い機会となりました。
リヨンには日本人経営の日本食レストランやラーメン屋、フレンチがいくつかあり、学生の間でも人気のアルバイト先の一つになっていると感じます。中には中国人や韓国人が経営しているなんちゃって和食、居酒屋のお店もあり、そちらで働いている友人もいました。経営者の国籍によって職場の雰囲気や業務内容に違いがあるようでしたが、どれも学生にとっては良い経験になると思います。
飲食業だけでなく、フランス語と英語を話せるという強みを活かして、ベビーシッターとして働いていた友人もいました。家庭によっては学校の送り迎えや宿題のサポートを行うこともあるそうで、比較的時給も高く、働く時間帯が夕方から夜にかけてであるため、授業との両立もしやすいと思います。

リヨンをおすすめする理由

フランス留学を考えている方に、私は心からリヨンをおすすめしたいです。リヨンはフランス第2の都市でありながら、パリほど混み合っておらず、ほどよく落ち着いた空気の流れるとても住みやすい街です。
まず印象的だったのは、生活の快適さとバランスの良さです。私は留学中、いくつかの他のフランスの街を訪れましたが、リヨンは特に公共交通機関が便利です。メトロ、トラム、バスが市内を網の目のように走っており、学生の私にとって移動のしやすさは大きなポイントでした。都市としての機能も整っており、ショッピングモール、レストラン、カフェ、図書館、美術館など、必要なものが街の中にすべて揃っているのに、自然や歴史的景観も身近にあるという贅沢さが感じられました。
特に思い出に残っているのは、ローヌ川やソーヌ川沿い(Quai)で友人たちと座ってワインを飲んだり、お菓子をシェアしたりした時間です。高いお金を払わなくても、気持ちの良い風に吹かれながら川のそばでおしゃべりしたり、何気ない時間をゆっくり過ごせるのがリヨンらしさだと思います。
また、旧市街(Vieux Lyon)やテロー広場(Place des Terreaux)、テットドール公園(Parc de la Tête d’Or)周辺をただ歩くだけでも心地よく、とてもリラックスできました。週末は観光客で混んでいますが、平日は地元の人々の生活が息づいている空間です。歴史的見物、カフェやレストラン、バーも多いため、授業終わりによく友達と行っていました。この都会と歴史が共存するバランスがリヨンの大きな魅力だと思います。
さらにリヨンは美食の街としても有名です。ブションリヨネと呼ばれる地元料理のレストランも多く、日本人の口にも合う料理がたくさんあります。フランス料理だけでなく、他の国の料理を楽しめるレストランも充実しており、自炊と外食のバランスがとりやすいのも、生活を快適にしてくれました。
そして、リヨンはフランスの中央寄りに位置しており、イタリア、スイス、スペインなど周辺国へのアクセスがしやすく、留学中にヨーロッパを旅したい人にもぴったりの立地です。私も実際留学中、7カ国旅行へ行きました。

このように、リヨンは大都市の利便性と小都市の落ち着き、そして歴史と自然、グルメと文化など、それらがぎゅっと詰まっていて、どんな人にとっても自分らしい留学生活を送れる場所だと私は思います。リヨンでの留学生活は日々の暮らしの中で工夫しながら自立していく経験の連続でした。
フランス留学を考えている方には、ぜひリヨンを選択肢に入れてみてほしいです!