松本志歩様 自己紹介

初めまして。現在外国語大学四年生の松本志歩と申します。今回はフランス留学を決意した経緯についてお話しようと思います。
私には通訳案内士をしている叔母や留学コーディネーターの再従姉妹がいます。幼い頃から彼らの留学生活や仕事で海外を飛び回った経験談を聞いて育ちました。子どもながらに彼らが周りの大人とどこか違う雰囲気を纏っているのを感じていましたし、一緒に旅行した際には外国語を巧みに操る姿を見て、自然に海外や海外で生活することに強い憧れを抱くようになりました。

現在は、大学で国際関係学を専攻しています。専攻語学は英語ですが、英語を学ぶのではなく、英語を手段に経済学や言語学、民俗学などの観点から、その名の通り、「国際的」な「関係」を学んでいます。フランス語は、第二外国語として選択したことをきっかけにゼロから学び始めました。学び始めた当初は、英語と似ている点に助けられながらも、発音やフランス語特有のルールに大変苦労しました。しかし、ただ単に文法を学ぶのではなく、有名なフランス語の曲やフランス映画、そして絵画などを題材に授業が組まれており、2年間楽しく受けることができたと思います。

漠然と、いつかは海外留学をしたいと考えていましたが、特に行きたい国や学びたいことがあったわけではありません。フランス語の先生の勧めで一度フランスへ留学することを考えたこともありましたが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、留学の目処が全く立たなかったこともあり、何も行動を起こさないまま大学3年生を迎えてしまいました。周りの友達が就活に向けてインターンを始める中、ふと、私は何も成し遂げられないまま、この貴重な大学生活を終わらせて良いのだろうかと思い始めました。コロナによって奪われた学生生活を取り戻す最後のチャンスだと思い、留学を決意しました。

海外留学において重要なのは、学びたいことを明確にすることと、揺らぐことのない海外への興味関心を持つことだと私は考えています。今回私が留学先にフランスを選んだのにも、この二つが大きく関わっています。留学を決意した時にまず自分は何を学びたいのかを考えました。海外が好きだから、暮らしてみたいからなどという気持ちもきっかけとしては重要ですが、1年という長い期間で何を身につけ、どう成長したいかのビジョンを描くことは、学びたいことを明確にする上で大変役に立ちます。私はまず前提として、周りと違うことがしたいという考えを持っていました。私の大学にはフランス語を専門とする学科はなく、フランス留学をする人はほとんどいません。多くがそれぞれの学科専攻の言語を話す国や英語圏へと留学していきます。日本で培った言語力で現地で何か特定の学問を学ぶといったような感じです。しかし、私には一年間も学びたいと思うほど興味のある分野がなかったことと、新しく言語を学んでみたいという気持ちの方が大きかったことから、第二外国語として選択していたフランス語を現地で学ぶことにしました。次に海外への興味関心についてですが、海外への憧れは幼い頃から抱き続けていました。しかし、大学生になり、趣味として母や友人とアンティークショップ巡りをするうちにフランスのテーブルウェアに興味を持つようになりました。祖母が昔から洋食器を集めていたこともあり、興味を持ってからはより身近に感じるようになりました。祖母にフランスの有名な窯元を教えてもらったり、関西にあるアンティーク食器専門店を訪れたり、アンティークの見分け方などの図鑑を購入し、暇さえあれば読み耽ったりもしました。また、たまたま訪れた美術展で実際にセザンヌ、モネやスーラの印象派絵画をみて衝撃を受けてから、素人目ですが絵画にも興味を持つようになりました。春休みを利用してアメリカの親戚の家に遊びに行った時にも、より多くの印象派絵画をこの目で見てみたいと思い、美術館巡りもしました。印象派絵画の中でも、フランスの自然を題材とした作品が好みで、いつかはモデルとなったフランスの地域を訪れてみたいと思っています。私が滞在する街アンジェはその地域からは少し離れていますが、休暇を有効活用させるつもりです。

恥ずかしながら学生の財力ではアンティーク食器をコレクションすることはなかなか難しいです。しかし、フランスでは蚤の市が盛んだと知りました。高級アンティークだけでなく気軽に手に入れることのできるものまで幅広く購入できるそうです。少しこじつけ感も否めませんが、趣味を極めながらフランス語習得という目標を達成できるのはフランス留学しかありません。この決断を下した時には、お先真っ暗だった大学生活でやっと光が見えた気がしました。
この留学を通した一番の目標は語学力の向上ですが、海外で暮らすことで日本では持ち得なかった視野を持つことができると思います。いろいろなことを経験し様々な視点から物事を考えることのできる人間になりたいです。そして、今はまだ明確になっていない将来の夢を決める一助としたいです。
長期の留学は初めてなので不安の方が大きいのが本音ですが、好きになったことはとことん突き詰める性格を生かして、後悔しない留学生活を送りたいと思います。拙い文章ですが、これをご覧になっている皆様の、人生における大きな決断を後押しできるようにしっかりレポートしていこうと思います。よろしくお願いいたします。

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